アップルは9月12日、新しい小型iPadを発表すると見られています。2012年の休暇の贈り物シーズンにかけて、アマゾンのキンドルファイア及びGoogleのネクサス7とともに、小型タブレット市場は沸騰するほど激しくなる模様です。噂のアップル新小型デバイスのフォーム要因がどのような受け入れられ方をするのか、これまで成功を重ねてきた綺羅星のごとき一連のiOSデバイスの中でそれがどのような位置づけとなるのか、私たちは興味津々です。
iPad 2は2011年3月、新しいiPad(iPad 3とはなりませんでした)は2012年3月の発表でした。iPad 2は初代iPadの厚さの壁を打ち破り、より高速なCPU、グラフィックス機能の向上をもたらしました。iPad 3では、Retina品質の高解像度ディスプレイ、より高速でより熱の高いCPUが装備されました。
さてiPadミニは、私たちを納得させるのに、何をたずさえて登場するのでしょうか。iPadミニについて現在知りうることすべてを、ここでチェックしてみましょう。
米国のCult of Macによる噂のまとめです。
現行iPadとまったく同じ、ただ小さいだけiPadミニは対角線のサイズが小さくなって、7.85インチになると見られています。
これを7インチiPadと呼んでいますが、実際は8インチタブレットと呼ぶ方が適切です。競合のキンドルやネクサス7との類似からそう呼ばれているに過ぎません。むろん、サイズがすべてではないことは言うまでもありません。
Retinaグラフィックスではない対角線がほとんど8インチというスクリーンサイズに加えて、iPadミニはおそらく現行iPadと同じ縦横の比率となりそうです。これは開発者向けサポートの動きであり、他のiOSデバイスのサイズを許容するためにも、グラフィックス生産のワークフローを変える必要がないようにするのが目的です。iPadミニは、新iPadのRetina品質のグラフィックスではなく、iPad 2レベルの高解像度グラフィックスを備えることでしょう。
他の噂では、シャープ製のIGZO(酸化物半導体)ディスプレイを備えるとのこと。シャープは最近、サプライチェーンのスピードを上げるためフォックスコンと提携しました。シャープのIGZO技術によって、光がLCDディスプレイを通りやすくなり、電力効率も向上します。小型デバイス上で、電力消費を軽減できるわけです。
価格も一段と安くなるもしアップルが、すでに市場に出回っているアマゾンのキンドルファイアやGoogleのネクサス7のような廉価版タブレットと競合しようとするのであれば、小型iPadと言えども、やはり価格で競い合うことも必要になります。同じ土俵での戦いとなるわけです。情報通によると、iPadミニは249米ドルからとのこと。メモリー容量の多いモデルは、そのぶん高くなります。
iPadの製品ラインを全体的に見ると、249米ドルのiPadミニ、399米ドルのiPad 2、499米ドルの新iPadというラインナップになります。これは他のアップル製品ラインと同様で、ハイ、ミディアム、ローという価格構造に位置づけられています。
iPadミニについてアップルは長らく検討してきたアップルはコンセプトとしてのiPadをかなり長い間検討してきました。最初のプロトタイプは、当時最新のiBookのような外見でした。丸みを帯びた白いコーナーに、12インチスクリーン。
「7インチマーケットが出てくる。これにわれわれも備えるべきだ」
ある報道によれば、アップルは2000年代中頃、7-8インチiPadのプロトタイプを作成し始めました。同報道によると、スティーブ・ジョブズ氏は「このデバイスは小さすぎる。何の役に立つのだ。バスルームでウェブサーフィンするぐらいじゃないか」と言ったとされています(念のため注意を促しておきますが、ジョブズ氏が間違ったことを言っているわけではありません)。
アップルのインターネットソフトウェアサービスの上級副社長であるエディー・キュー氏でさえ、小型iPadを欲しがっていました。キュー氏は以下のEメールを上司に送っています。
「サムスンのギャラクシー(タブ)を使ってみて、私も多くの人の意見に同意するようになっている。7インチマーケットが出てくる。これにわれわれも備えるべきだ。感謝祭以来、これについてはスティーブに何度も伝えている。最後は彼も、かなり前向きになったようだよ」
より薄板化、より小さいドックコネクターいくつかの報道によると、iPadミニはiPodタッチ4G並みの薄さで、その厚みはわずか7.2ミリ。第3世代iPadが9.4ミリであることからすれば、相当スリム化することが伺えます。これは現行のキンドルファイアよりも薄いデバイスです。
また新たに、より小さいドックコネクターが採用されるとも見られています。これはデバイス底部に装備されますが、これに応じて新iPadミニもデザインが変化することは間違いありません。より小さいコネクターは、より小さく薄いデバイスを意味します。しかし同時に、すべてのアクセサリー(備品)も使えなくなってしまいます。とはいえ、アップルは従来もそうであったように、アダプターの類をリリースしてくれるでしょう。
iOS 6とともにアップルは6月のWWDCで開発者向けに、モバイルオペレーティングシステムの次世代バージョンを披露しました。今秋リリース予定ですが、中身についてはすでに多くの報道があります。アップルは、新ハードウェアと新iOSを一緒に出荷することが多く、次期iPhoneが今秋リリースとなると、iOS 6も一緒にプレインストールされる形で登場すると考えるのが無難でしょう。
iOS 6は200を超える改善を特徴としており、これには新マップアプリ、Siri の拡充版、facebook統合などが含まれています。
カメラも搭載されるだろう新iPadミニにカメラが搭載されるかどうかについては、詳しいことがあまり話題に上がっていません。今どきカメラがないなんてちょっとあり得ないように思えますが、コストダウン目的で、カメラは搭載されないかもしれません。
子供たちがみんな、iPadミニを欲しがっているCult of Macのコラムニストであるマイク・エルガン氏はいみじくも、「まだアメリカの子供の大部分はiPadを持っていない。iPadに触れることすらしていない。しかし新iPadミニで、これが変わるだろう」と述べています。アップルはすでに、iPadミニのために、小売店舗にある子供向け商品棚からiMacを引き上げています。ホリデーシーズンの贈り物としてもちょうどいい価格であり、ブレイクする可能性がありますね。