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iPad追撃!マイクロソフト独自開発のタブレット端末「サーフェス」発表

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マイクロソフトによる自社製タブレット『Surface(サーフェス)』は、アップルが君臨するタブレット・マーケットに一石を投じる事ができるのでしょうか。6月18日(現地時間)に発表されたこのタブレットの情報、予想される周囲の反応等について米国The Wall Street Journalがレポートしています。

このタブレットは先日の記者会見でマイクロソフトのCEOスティーブ・バルマー氏によって発表されました。ソフトウェア界の最大手が、ついに自らモバイル・マーケットに参入したことを意味しています。

発表によれば、Surfaceは最薄部の厚さが9.3ミリ、重さが680グラムで、iPadの9.4ミリ、652グラムとほとんど変わりませんが、スクリーンの大きさはiPadの9.7インチに対して10.6インチと、若干大きめになっています。

Surfaceはスタンドを内蔵しており、磁石入りのカバーにはタッチキーボード機能を搭載しています。現時点では、Wi-Fi通信のみ対応となるのか、セルラー通信にも対応するのかは不明です。

Windows担当チーフのスティーブン・シノフスキー氏によれば、このタブレットの価格は「他のタブレットと同程度」になり、店頭でもオンラインでも販売されるそうです。

ハードウェアの生産元については明かされていません。発売日がいつになるのかもはっきりとは明かされてはいませんが、Windows 8とほぼ同時期になるとのことなので、今年中には発売されるでしょう。

バルマー氏によればこのタブレットにはWindow 8搭載バージョンとWindows RT搭載バージョンがあり、それぞれ別のチップを搭載するとのことです。Windows RTは始めからタブレット機での使用を想定して製作されており、『Metro』と呼ばれるタッチUIを実現してくれるそうです。

バルマー氏や他のエグゼクティブはこのWindows 8とWindows RT搭載新型タブレットについての説明の際、頻繁に「妥協の無い」という表現を使っていました。どうやらこのタブレットは動画閲覧とかネット検索に対応しているだけでなく、WordやExcelといったOfficeツールにも正式対応してくることが予想されます。

また、マイクロソフトはアップルが正式に採用する事の無かった、キーボードを兼ねるカバーについても強調していました。 『Surfaceはコンピュータであり、タブレットもあり、「全く新しい何か」として皆さんに愛されるでしょう』という台詞でバルマー氏は1時間弱の会見を締めくくりました。

IDCのアナリスト、アル・ヒルワ氏は、このPCとタブレットとの融合に関して「スイス・アーミーナイフを思わせる完璧なツールの完成」と言っています。

マイクロソフトはかれこれ30年以上もペン型デバイス用ソフトウェアを開発・提供してきており、タブレットタイプのコンピュータとも無縁ではありません。ペン型デバイスはそれほどポピュラーにはなりませんでしたが、Surfaceは新バーションのWindowsとして、アップルがiPhoneやiPadで築いたタッチ機器人気の地盤の上で成功を収めるかもしれません。

ちなみに、同社は数年前に発表したデスクトップPCにもSurfaceという名前を冠していたことがありました。

マイクロソフト社はこれまでも自社ソフトウェアの開発に伴って、そのソフトウェアに見合ったハードウェアを開発してきており、今回Windows 8の開発に併せてタブレット機を出してくるのも、最初期のマウス開発時から変わらぬ伝統に沿っている事になります。

自社製タブレットを発表する事で、他社製Windows搭載タブレットの売り上げが妨げられ、結果的にマイクロソフトが自分の首を絞める事になることも考えられます。マイクロソフトはかつてDellやHewllett-Packard、LenovoのPC製作から手を引いた事があり、ハードウェアのメーカーがマイクロソフトとの安定した取引を期待できなくなる恐れがあります。

コンピュータ製作業者にとってマイクロソフトはあくまで大御所なので、 マイクロソフトのこうした姿勢に対して公に不満を漏らすことは無いと思いますが、内心は憤懣やるかたない人もいるのではないでしょうか。

Forrester Research Incのアナリスト、サラ・ロットマン氏はマイクロソフトが自社製タブレットを製作していることに関して、「ユーザーに複雑な選択肢を与え、またサードパーティー制作者たち同士の関係も複雑になる」と予想しています。

バルマー氏は、ハードウェア提供先との長期に渡る密接な関係を結ぶ意思を表明していて、「Windowsの発展には、パートナーシップこそが最重要だ」と発言していました。

Surfaceの発表にに関して、Dell、アップル、HPからのコメントは今のところありません。

マイクロソフトは今回、2つのバージョンのSurfaceを発表しました。Windows 8バージョンには、多くのPCが搭載しているものと同様のIntel製のチップが搭載され、Windows RTバージョンには他のスマホやタブレットと同様にARM Holdings PLCNデザインのNvidiaチップが搭載されるようです。

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