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なぜiPhone 5の背面プレートは2トーンカラーのメタル製なのか?

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すでに多くの人々は、次世代iPhoneがどんなものになるか詳しく知るようになっています。2トーンカラーのメタル製背面プレートをもつユニボディデザインになるという点についても、よく知られています。

しかし、このメタル製背面プレートに何か積極的な理由があるのでしょうか。単に見映えを良くしてiPhone 4/4Sのデザインと差異化を図ろうとの狙いに過ぎないのではないか?メタルとガラスのストライプの背景に、納得のいくデザイン哲学があるのでしょうか?

米国のCult of Macが産業デザイナーであるドン・レーマン氏の見解をレポートしています。

アップルがiPhone 5を公式発表するまで、確かなことは分かりません。しかし或る産業デザイナーが、なぜ新iPhoneの背面がこのようになるのかについて、興味深い説を示しています。アップルのデザインにはよくあることですが、新iPhoneの背面は格好の良さのためばかりでなく、信じがたいほど機能的で非常に頑丈であるとのことです。

シカゴを本拠とする産業デザイナーであるドン・レーマン氏はハイテクニュースサイトThe Techblockで、次世代iPhoneのデザインに関して詳細な分析を加えています。そのデザイン思想は、これまでのiPhoneのデザインの変遷を踏まえたものです。

2トーン色の背面デザインの背景にある考えは、レーマン氏によると、以下のとおり。

「iPhone 4が最初に発売された頃は、GSMフォンしかなかった。これはGSM基準を用いた携帯ネットワーク上でのみ通信可能であることを意味していた。GSMのiPhone 4は、外部メタルバンドアンテナという考えを初めて示したが、これは2つのセクションに分かれていた。一つは電話/データ受信のセクション。もう一つはGPS、WiFi、Bluetooth用のセクションだ。このデザインは奏功したが、しかし間違った場所(アンテナゲート)を握ると、信号が劣化しやすいという欠点があった。

iPhone 4のCDMAバージョンが米国で2011年2月に出た頃、スチール(鋼)製バンドのデザインに変化はなかった。このデザインはまたiPhone 4Sにも引き継がれた。4Sの鋼製バンドは4つの鋼から成っており、2つのU型鋼が上部と下部に、2つの長く真っ直ぐな鋼が側面に配置されている。これら4つの鋼セクションは実際には接触していない。

0.65mmのプラスチックで切り離されている。4Sの携帯アンテナが機能する方法は、こうだ。上部と下部のU型ブラケットが、2つのアンテナとして機能し、側面の長く伸びた鋼は単に、iPhone全体をメタルバンドが包囲していることを示すためだけにある。また構造上の強化のためでもある。GPS、WiFi、Bluetoothのアンテナは、ガラスの背面から送信されることになる。

簡潔に言うと、iPhone 4のように、アンテナ向けにメタルバンド全体を使うのではなく、iPhone 4Sは、アンテナとして上部と下部のU型鋼のみを使っている。側面の鋼は信号送信に役立っておらず、単にデバイスの構造上あるだけなので、側面の鋼を全体の構造により一層埋め込むようにする発想は理に叶っている。そういうわけで、ユニボディデザインのiPhoneが生まれる可能性が出てきたわけだ。」

実に興味深い説です。特に感心するのは、新iPhoneの背面プレートが2つの小さなストライプ(中心にアルミのユニボディの大きなプレートをもつ標準ゴリラガラス)から成っている理由についてです。これは見映えは良いですが(賛否両論ありますが)、デザインの選択としては、アップルが取りそうなものとは大きく異なります。レーマン氏の説によると、背面プレートのメタル部分はデバイスをより頑丈にしますが、他方、ゴリラガラスはWiFi、Bluetooth、GPSのアンテナを外に出せるようにします。とても賢いやり方です。

レーマン氏の記事を全文読むことは価値のあることです。新iPhoneのデザインについて、ここに述べた内容を超えて、数多くの経験的で賢明な説を展開しています。彼の記事は、新iPhoneがもっともお洒落で、もっとも薄板化するという事実を示すばかりでなく、もっとも頑丈なデバイスとなることも示しています。

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