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iOS 8: 機能強化した「メッセージ」アプリが混乱を引き起こす? 慣れないうちは要注意!

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アップルは、今秋公開のiOS 8でメッセージアプリの機能を更新します。英Guradianが、このアプリ更新がはらむリスクについて警告を発しています。

iOS 8のメッセージ画面

iOSの「メッセージ」は、短文に写真やビデオを添付して送信することのできる機能です。近秋、iPhone 6とともに正式リリースされるとみられるiOS 8では、短い音声の送信も可能になります(「スナップチャット」や「ワッツアップ」のように、送信した音声、写真、ビデオを、受信者が閲覧した数秒後に自動消去できる機能も追加されます)。

この機能がはらむリスクとは何でしょうか? iOS 8では、ビデオや写真の撮影と、音声の録音は、ボタンの長押しで行います。カメラアイコン(テキスト入力欄の左側に表示)を長押しするとライブカメラ画面に進み、マイクアイコン(テキスト入力欄の右側に表示)を長押しすると短い音声を録音して送信することができます。後者は、文字表記がアルファベットより複雑で、短い入力がすばやく行えない中国では人気の機能のようです。

iMessageを愛用している10代のユーザーであれば、iOS 8のアップデート後すぐにこの使用方法をマスターできるでしょう。しかし、さほど頻繁に使用していないユーザーには容易ではないかもしれません。そしてこれを偶然「使ってしまった」とき、彼らはすぐに取り消すことができるでしょうか? ユーザーインターフェイスの出来を測るリアルな実験です。

写真やビデオ撮影の画面なら、「×」という明快な記号が表示されているため、長押しを容易に取消せるはずです。問題は音声メッセージです。マイクアイコンが表示されている場所は、以前は「送信」ボタンがあった場所なのです。テキストを入力しない間はマイクアイコンは表示されたままで、テキストを入力すると消えます(音声とテキストは同時に送信できないため)。多くの人はこの違いの発見に時間を要するかもしれませんが、アップルはそれで構わないようです。

マイクアイコンを長押しするとすぐに録音が始まります。録音するつもりのなかった人は困惑するでしょう。どうすれば取消せるか? 画面に表示されているのは、再生用のアイコンと「×」と「↑」の3つのボタンです。

多くの人が「↑」を押したくなるのではないでしょうか。しかしこれを押すと、録音した音声が相手に送信されてしまいます。約2か月後のiOS 8公開のあかつきには、多くのiPhoneユーザーが不可解な無言の音声メッセージを受信することになるはずです。そしてそれは、送信者が正しい取消しボタンを発見するまで続くでしょう。

マイクロソフトがWindows 8で犯したミス

2011年に発表されたiMessageは、他のSMS同様、ユーザーに最も頻繁に利用されているアプリです。現在、1日に5億台前後のiOSデバイス間で400億件以上のメッセージが処理されており、アップルのモバイル戦略の要、競争力の根幹となっています。頻繁に利用されているアプリの使用方法を変えることは、爆弾の除去と同じくらいに危険で、事態を悪化させる可能性もあります。

その典型例が、マイクロソフトのWindows 8へのインターフェイス変更です。新たなインターフェイス採用に合わせて、1995年発表のWindows 95以来当り前に存在したスタートボタンが廃止されました。熟練のユーザーは歓迎しましたが、Windows 7以前のバージョンに慣れ親しんでいた一般のユーザーは困惑し、フラストレーションを覚え、スタートボタンの代用としてランチャアプリに走りました。

メッセージの更新は、ここまで劇的な変更ではありません。またアップルは、このようなある種の困惑が、iMessage、ひいてはiPhoneに、ユーザーをつなぎとめる必要悪だととらえている様子です。マップ、メッセージ、ブラウズといった主要機能のアプリがサードパーティに開放されれば、スマートフォンのプラットフォームに付随するリスクも発生します。それに対してアップルは、高度に統合された機能を提供することでユーザーを維持する考えのようです。アプリに新機能が追加されれば、デフォルトのみに頼ることは難しくなるでしょう。

しかしメッセージは、iPhoneで最も利用されているアプリであり、ユーザー維持の土台となる場所であることも、忘れてはいけません。

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