iPhone5SとiPad mini2の発売時期は遅れる? アナリストが指摘
KGI証券のアナリスト、ミン・チ・クオ氏は11日、iPhone 5SとiPad mini2の発売が市場の観測よりも遅れる可能性があるとのレポートを発表しました。米国のMacRumorsが伝えています。
今年の1月、クオ氏は、アップルの2013年新製品発売の時期について、彼が予想するロードマップを示しました。氏はその中で、新型のiPhone、iPad、iPod、さらにMacのノートブックの発売が第3四半期(7月~9月)に集中するため、アップルが忙殺されることになるだろうと指摘していました。
つい先月のこと、クオ氏の予測では、iPhoneの新モデルの発売時期が6月~7月、China Mobile(中国移動通信。中国最大の移動通信事業者)向けの特殊なバージョンは少し遅れて9月になるだろう、と時期が絞られていました。
4月11日に発表されたクオ氏の新しいレポートでは、多くの難問のせいで、iPhoneとiPad miniの新モデルの発売が、自身が以前予測したスケジュールよりも、さらに世間の大方の見方よりも遅れそうだと伝えています。クオ氏は、この遅れの結果、アップルの第3四半期の出荷は、伸び率が期待されていたよりも小さくなるだろうと考えています。もちろん、これまでアップルは発売計画について何もアナウンスしていませんから、ここで言う"遅れ"とは、アップル内部の計画に対する遅れではなく、市場の期待に対する遅れを指しています。
「以前、我々は新しいiPhoneの出荷時期について、FDDバージョンが7月、TDDバージョン(中国移動通信 (China Mobile)が採用)が9月と見積もっていました。一方、iPad mini 2については、8月まで市場に現れないだろうと考えていました。現在、市場の大方の見方では、iPhone 5S、低価格iPhone、iPad mini 2の発売時期は、それぞれ7月、7月、8月だろうとされています。しかし、現在のところ、公にされている情報や技術のトレンドを見る限り、これら3機種の出荷が始まるのは、我々の以前からの予想、および市場の見方よりも遅くなるだろうと考えています。」
クオ氏は、新モデルの発売時期については、日にちを限定することは避けました。その代わりに、8月/9月、9月/10月、10月/11月という時間枠において、アップルの出荷がどのように影響を受ける可能性があるのかについて、3つのシナリオを提示しました。
それでは、アップルが直面しているという難問とは何なのでしょうか? クオ氏はこれについて次のように詳細を述べています。
●iPhone 5Sの指紋認証センサー
指紋認証センサーに対して干渉を起こさないような、本体のコーティングの色を研究中ですが、これはアップルに取って技術的なチャレンジとなります。また、この機能をiOS 7に統合化するために、さらに追加作業が必要になるでしょう。
●低価格iPhoneのカラーコーティング
噂では、アップルの低価格iPhoneは外側がプラスチックとなり、いくつかの異なる色で発売されるとされています。アップルはこの外枠を極力薄くするべく鋭意努力をしていますが、そのためにコーティングの問題や表面の仕上げの問題などが生じそうです。
●iPad mini Retinaディスプレイモデル
クオ氏の予測では、第2世代のiPad miniでRetinaディスプレイが採用されるだろうとしていますが、このディスプレイの設計や製造に関する技術的問題が原因で、アップルの発売計画に遅れが生じることになりそうです。
発売が予想よりも遅くなりそうだということを踏まえて、現在クオ氏は、2013年第3四半期のアップルのiPhone/iPadの出荷が、前年度比で1桁の伸び率にとどまるだろうと予測しています。これは、市場の大方が予想する30~40%という伸び率には遠く及ばない数値です。