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ソニー、新型iPhone向けカメラ部品の大量供給へ アップルと交渉入り

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ソニーがVAIOブランドで17年間続けてきたパソコン事業をストップするという悲しいニュースがあってから未だ日の浅い12日、日本経済新聞電子版は、同社がアップルのiPhoneにカメラ部品を大量供給する契約を結んだと報じております。

ソニーの平井一夫CEOによる同社パソコン事業売却とテレビ事業分社化の発表は痛ましいものでしたが、結局、13年度のエレクトロニクス事業黒字転換の目標には到達できなかった形となりました。

そんな矢先、ソニーはアップルとの間で、iPhoneカメラ部品の大量供給で交渉に入った模様。次世代iPhone向けに、ソニー製画像センサーの供給が倍増される展開です。ソニーはエレクトロニクス事業の再生の切り札として、イメージング事業とモバイル事業に注力する戦略。

ソニーが1月に買収した半導体大手ルネサスエレクトロニクスの工場で生産を開始し、パソコン・テレビ事業の整理縮小のマイナスを、モバイルやカメラの分野に経営資源を集中することでプラス補填する考えです。

今回大量供給が決まったのは、「電子の目」と言われる電子部品のCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサー。ソニーのCMOSセンサーの世界シェアは32.1%ですでにトップですが、スマートフォン向けの高機能センサーとして、今後もシェアは拡大すると見られており、今回のアップルへの供給契約が大きな跳躍台になることは間違いなしです。

ソニーはすでに現行iPhoneの裏面に装着されるメーンのカメラ用センサーの大半を供給していますが、アップルは今回、「自分撮り」の正面サブカメラについても、ソニーのセンサーに切り替えるもくろみです。今後、スマホをテレビ電話のように使用する場面が増えるとの見通しから、高精彩技術に優れたソニーのセンサーに白羽の矢が立ったというわけです。

CMOSセンサーの供給先について、ソニーは詳細を公表していませんが、アップルiPhone向けに年1億個以上を供給していると見られており、この先、iPhoneの販売がさらに伸びれば、ソニーの供給量も比例して倍増する可能性があります。

こうした展開に備えて、ソニーはすでに増産体制を敷いており、1月に買収したルネサスエレクトロニクスの件も、アップルからセンサー供給の打診があったためとされています。同社の山形県鶴岡市にある工場で、月産能力を現行比25%アップする予定です。

ソニーは自社製スマホに最新型のCMOSセンサーを搭載していますが、同時にサムスン、アップル、華為技術(ファーウェイ)にも供給しています。

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