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iPhone 6とiOS 8に潜む大きな欠陥とは? - 米Forbes誌

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市場には違う見方もあるかもしれませんが、2014年のWWDCは大成功を収めたと言えるでしょう。アップルは模倣と革新の融合によって、Androidに欠けているものを補い、ウェアラブルデバイスとスマートホームの双方の分野に新たな戦いを仕掛けました。アップルの幹部らは「スティーブ・ジョブズ後」の展開にようやく満足し、やる気に満ちて悠然と構えているようにみえます。しかしそこには1つの大きな落とし穴があるようです。米国のForbesが伝えています。

親指

その落とし穴とは。アップルが過去に製作したCMにヒントがあります。従来のiPhoneは片手で持ったとき、大型化の一途をたどるAndroid製品とは異なり、対角線上の角に親指が届きました。CMの言葉を借りればこれは「すごくあたりまえの姿」でした。しかしこの便利な「あたりまえ」が、iPhone 6ではあたりまえでなくなる可能性があるのです。

アップルは極細のベゼルを実現するために、iPhone 6では、従来のボタンを省スペース可能な形に変更したりあるいは完全に廃止したりしています。一方で、ホームボタンはそのままの形を維持しています。そのため、ディスプレイサイズが4.7インチのiPhone 6は、5インチのAndroidデバイスと高さが同じになります。5.5インチのLG G3と比べても差はさほど大きくありません。

つまり、iPhone 6では対角線上の角に親指が届くという従来の利点が完全に失われます。しかも、その他の点では本当に素晴らしいiOS 8が、この欠陥を考慮していないのです。

何が問題なのか?

これがなぜ問題なのでしょう? 次の画像をみればわかります。

アップルは、iOSの画面上部の左と右の角に、最も重要なナビゲーションボタンを配置しています。「戻る」「キャンセル」「追加」「作成」「確定」「送信」といった多くの必須コマンド用ボタンです。特に、「戻る」は頻繁に使用される重要なボタンです。AndroidとWindows Phoneは、ディスプレイサイズに関係なく、ホームボタンの他に「戻る」専用のボタンを配置しているほどです。

「iPadはiPhoneよりも大きいけれど指が届かないなどと不満を言うユーザーはいない」、と反論する人がいるかもしれません。

確かにそれは事実です。しかしiPadはそもそも両手で使用するデバイスです。iPad miniもiPad Airも、持ち運びやすさが格段に向上し片手での操作も可能です。しかし、すべての操作をiPhoneと同じ感覚で片手でこなせると考える人はいないでしょう。

問題の解決は困難

さらに悪いことに、アップルにとってこの問題を修正することは非常に困難です。画面上部の角に集中する制御ボタンを指の届く位置に移動させるには、iOSの大規模な改造を必要とするからです。ハードウエアの変更にも対処しなくてはなりません。ホームボタンの両脇の空きスペースに「戻る」専用のボタンを配置するというアイデアはありかもしれませんが、iPhoneの美観にそぐわないことや、ライバルに無限の攻撃材料を与える可能性がある(とりわけ法廷で)ことなどを理由に、アップルはそれを望まないでしょう。

では、動作によってこの問題を解決できないでしょうか? 上部や下部からのスワイプはすでに他の機能が割り当てられています。左ベゼルからのスワイプは、Safariや「設定」、それにいくつかのサードパーティアプリにおいて、「戻る」機能が割り当てられています。しかしサイズが20%拡大したディスプレイでこの動作を行うことは、特に手の小さな人にとってはあまり快適とはいえないでしょう。現在は画面上部のボタンに配置されている、すべてのナビゲーションに対応しているわけでもありません。

iPhone 6の発表は9月まで行われない見通しで、アップルにはまだ時間があります。キーボードをサードパーティに開放したことは賢明でした。これは、ディスプレイが大型化すればもはや単一基準のアプローチは機能しなくなるということを、アップルが認識している証拠です。

先日のiOS 8のプレゼンテーションでは、ユーザーの指令に常に耳を傾けたり、ユーザーの歩みを追跡したり、コンソール版のゲームを提供したり、コネクテッドデバイスのハブとして機能したりするプラットフォームとしての機能が新たに提示されました。

しかし、「戻る」ボタンの解決法は、今のところ何も示されていません。

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