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iPad mini レビュー:小型タブレット市場はiPad miniの勝利?

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iPad miniの真価を見定めるのに一番良いのは、競合他社の製品とじっくり比較してみることでしょう。クリスマス休暇シーズンも近づいてきております。あなたのお小遣い、どのタブレットに注ぎ込むのが最適なのでしょう、それとも今回はスルー?

この決定を下すのに、iPad miniを、iPad 2、アマゾンのキンドルファイアHD、Googleのネクサス7(アスース製)、第4世代フルサイズiPad(iPad Retinaディスプレイモデル)と比べてみることにしましょう。マイクロソフトのSurface RTとの比較も忘れてはいけません。米国のNBCニュースのウィルソン・ロスマン氏が伝えております。

まずiPad miniについて少し。

真面目な話、iPad miniは、これまで1億台が売れたiPadの単なるミニチュア版などではありません。最大の利点は、タイプしやすくなったことだと個人的には考えています。Eメールを書く時はじつに助かります。電子書籍を読む時もいい感じ。どっぷり読書体験に浸ることができます。読書については、のちほど詳しく。

iPad mini 対 iPad 2

2011年のiPad 2と比べて、iPad miniには、より高性能化した正面と背面のカメラが搭載されています。スクリーンについては、両者のピクセル解像度は同じなので、よりサイズの小さくなったiPad miniでは、スクリーン密度が向上し見映えがより良くなりました。たしかに第3および第4世代iPadのようなRetinaスクリーンではありません(読書すると分かりますが、文字のピクセルが見えてしまいます)。しかしiPad miniのスクリーンは、iPad 2のそれよりは目に優しく見やすいものになっています。

iPad miniはSiri搭載ですが、iPad 2はなしです。Cellularモデルのタブレットを購入予定であれば(よほど外出が多い、また会社の経費で通信費を賄えるというのでもなければ、あまりお奨めはしませんが)、459米ドル(3万9800円)のiPad miniには高速4G LTEが付いています。キャリアはAT&T、Sprint、Verizonです(日本ではソフトバンクとau)。iPad 2のCellularモデルは529米ドル(4万5800円)もしますが、遅い3Gです。たとえiPad 2を買いたいと思っても、Cellularモデルは止めた方がよいでしょう。

ではiPad 2のいい所は何でしょうか?70米ドル安いこと?たしかにそれもありますが、やはりディスプレイが大きいこと、そして旧式30ピンコネクターが付いていることもあります。今まで買い集めてきた多くの備品を接続したいのであれば、それもいいでしょう。iPad miniは新型のLightningコネクター付きで、これはフルサイズの第4世代iPadも同様です。

勝者:iPad mini

iPad mini 対 マイクロソフトSurface RT

今期最も革新的な製品が、マイクロソフトから出てきました。Surface RTタブレット、価格は多くを詰め込んで499米ドル(日本での発売時期は未定)。ウィンドウズを刷新して「ライブ」タイル状のマトリックス化。常時接続の時代には、魅力的な製品です。

しかし優雅なデザイン、目新しいキーボード、飛行機座席のトレイテーブル的なフレンドリーな装いにもかかわらず、その根本において、ソフトウェア面での難点を抱えています。とりわけ、PCよりも使いやすいからという理由でタブレットを求める多くの人々に対しては、お奨めしにくいです。Surface RTのソフトウェアが今よりもずっとユーザーフレンドリーになってくるまで、また価値あるプラットフォームとなるべく多くのアプリが出揃うまでは、「様子見」というスタンスがいいでしょう。

勝者:iPad mini

iPad mini 対 キンドルファイアHD

アマゾンの第2世代となる7インチタブレット(199米ドル、日本での販売価格は1万5800円)は、以前のモデルに比べれば、全面的に改良が加わりました。しかし使ってみての体感はほとんど同じです。タブレットをオンし、ウォレットを開くと、アマゾンが書籍、ビデオ、音楽、ゲームを与えてくれます。これ以上は期待できません。生産性という面では、不向きです。

またキンドルファイアHDにとって不利なのは、アマゾンが、iPad向けにキンドルリーダー、アマゾンプライムビデオ、その他いくつかのアプリを作っていることです。なので、キンドルのデバイスを買わなくても、iPadを使って、アマゾンの顧客として用を済ますことができてしまいます。しかしアマゾンは、それでもいいわけです。ハードウェアではなく、コンテンツで商売をしているのですから。

もしあなたが映画を観たり本を読むのが好きであれば、キンドルファイアHDには2つの利点があります。まず130米ドル節約できることは別にしても、スクリーンのアスペクト比は16×9なので、例えば「アベンジャーズ」のような映画をディスプレイをいっぱい使って観ることができます。またiPad mini以上の高ピクセル解像度です。HDコンテンツを観たりテキストを読んだりすると、その違いがはっきりします。

ではiPad miniに対してさらに130米ドル支払うメリットは何でしょうか?iPad miniには、より良いウェブ閲覧体験、Eメール体験があります。アマゾンにもクラウドのストレージ、ストリーミング音楽(アップルのような音楽のマッチングサービス)はありますが、iPadのクラウドはさらにその上を行くもの。連絡先、文書、ノーツ(メモ)、ウェブ閲覧記録の同期があり、iMessage、フォトストリーム、Siriなどの高機能なサービスは言うまでもありません。

そしてiPad miniを選ぶ最大の理由は、やはりアプリです。何を置いても、アプリ、アプリ、アプリなのです。

勝者:引き分け(価格130米ドルの差とスクリーン解像度)

iPad mini 対 ネクサス7

オタクの皆様は199米ドル(日本での販売価格は1万9800円)のネクサス7が大好きです。その理由もよく分かります。ネクサス7は小さなマシーン(機械)だからです。インターネットやEメールだけに関心があるというのでもなければ、あまり多くは望めないでしょう。

その長所はキンドルファイアHDと並んでいます。より高密度のピクセル解像度16×9のワイドスクリーンなので、映画や書籍には好都合です。しかしNetflixのような少数の例外は別にして、テレビ番組や映画を手に入れるのは、Google経由を除いては、難しくなっています。書籍も同様です。現在のところ、Googleタブレットを買うのは、Googleにコンテンツ料金を支払うことを意味します。コンテンツについては、個人的な意見ですが、私ならアマゾンやアップルから買う方を好みます。両社ともにデジタルメディアを売ることに関して相当の実績を持っています。しかしGoogleにはそれがありません。

さらに不利な点は、アンドロイドタブレットには手に入るアプリが少ないことです。アンドロイドタブレットにアプリを入れても、それらはどれも、アンドロイドフォンのアプリの単なる拡大版です。キンドルリーダーやWeather Channelのようなタブレット化されたものでさえ、そうなっています。

勝者:iPad mini

iPad mini 対 第4世代iPad (iPad Retinaディスプレイモデル)

130米ドルを節約して199米ドルのアンドロイドタブレットを購入することの功罪は、もうお分かりでしょう。では、さらに170米ドルを費やして得られるものとは何でしょうか?まず、より大きいRetinaディスプレイという長所があります。

ここで強調しておきたいことがあります。夜間、電子書籍(e-books)を読むのが好きな人々の目の疲れという点で、ものすごく大きな違いとなります。映画も同様です。高解像度スクリーンであれば、見映えはぐんと向上します。

一般的に言えば、より大きなスクリーンであれば、多くのアプリ(相互作用を要するもの)の使い勝手はより快適です。スケッチアプリ、複数のウィンドウを立ち上げる必要のある戦略ゲームなどです。

ゲームについては、アップル最新版A6Xプロセッサーとデュアルコアチップとクアッドコアグラフィックスが頼もしいです。ゲーム開発者らはこのために最適化をするでしょう。iPad miniに内蔵されている2011年時代のA5には、その必要がありません。

とはいえ、大きなタブレットはもう要らないという人もいるでしょう。ペーパーバック本サイズのボディにiPadの一連のアプリ、便利さを備えたものが欲しい人には、やはりiPad miniがふさわしいはずです。

勝者:引き分け

iPad mini 対 iPad mini 2

おい、待てよ?アップルはもうiPad mini 2を出したの?いいえ。しかし予想されることですが、12か月後、それは必ず登場します。アップルは何とかして高解像度スクリーンとより高速化したプロセッサーを搭載させるでしょう。価格も299米ドルに下がれば、うれしいところ。

アップルの歴史において、このような例は多く見られます。大型iPadの歴史を振り返ると、iPad 2は初代iPadから大きく飛躍しました。カメラを備えてボディも薄板化しました。第3世代iPadは、より機能向上したカメラと高解像度Retinaディスプレイを備えて、完璧へと一歩近づきました。実際、iPad 3はあまりにも良すぎて、第4世代iPadの存在理由はただ、生産ラインを整理すること、Lightningコネクターを搭載したことくらいしかありません。

さて、ここで予想できること。

iPad miniでよく聞かれる不満についてですが、「われわれはあなたがたよりもよく分かっている(we know better than you)」という、デザインプランをもつほどのアップルの世界において、持ち上がってくる不満とは?それはもちろん「Retinaスクリーンが無い」ということです。では12か月後、アップルはこの問題を解決するでしょうか?

その答えは、100%イエスです。

となると考えてしまいます。新iPad mini 2を、一年ものあいだ待つのも辛い話。もっと安いタブレットを買っておいて、残り140米ドルをiPad mini 2のために取っておく?しかし輝かしいアップル新製品を前にして、そんな強い意志が保てるでしょうか...?

勝者:不在のiPad mini 2(Retinaディスプレイ付)

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