iOS5でTwitter新規加入25%増、Siriは検索エンジンに強烈インパクト

アップルiOS 5はTwitterへのサインインを一回で出来る特徴を備えていますが、このおかげでTwitterの新規加入が25%増加したと、米国のApple Insiderが伝えています。またWolfram Alpha(ウルフラム・リサーチが開発した質問応答システム)によると、音声アシスタント機能「Siri」を通じた検索により、検索量が20倍に増加し、サーチエンジンやウェブサービスに支障をきたしたとのことです。

Twitterの最高責任者であるディック・コストロ氏は10月、iOS 5リリース後、毎日の新規加入が3倍増加したと述べ、アップル社を「企業としての良き師匠」と呼びました。11月には、Twitter経由でシェアされた写真の40%がiOSユーザーからのもので、同社サービスの写真シェアのトップ10に入る顧客がiOS 5に内蔵されたTwitterを使用していることが分りました。

iOS 5リリース直前、Twitterの創始者であるジャック・ドーシィ氏は「もうすぐiPhoneとiPad のある所ならどこでも、Twitterができるようになるだろう。TwitterとiOS 5の統合は、我々のプラットフォームを新たなレベルに引き上げることになる」と述べました。

統合と戦略

アップル社とTwitter社のサービス統合の試みは実にスムーズに事が運びましたが、Facebook社との関係はあまり芳しいものとなっておりません。Facebookが合理的でない条件をiTunes Pingに対して提示し、アップルがこれを拒否したとの経緯もありました。

アップルとGoogleの提携に関する戦略は異なっています。Googleは、TwitterキラーとしてBuzzを、Facebook対策にはGoogle+を立ち上げ、自社サービス充実のために、Yelp(米国で人気のレビューサイト)を真似ることもしました。一方のアップルは、Googleへの依存を深めることなく、Twitterとの戦略的パートナーシップを使ったり、Siri経由で新たなサーチ機能を獲得することができました。

Siriの絶大なる影響力

アップルは自前のサービスを開発するのではなく、Yelpと提携したり、Siriを通じたユーザーらの質問に、Wolfram Alphaが解答するというシステムを構築しています。Wolfram Alpha社は、Googleのように広告によってサービス料金を支払うのではなく、アプリを販売したりアフィリエイト料金を徴収します。

SiriがiPhone 4Sに搭載された最初の週、同社の検索量は20倍に増えました。同社取締役のリュック・バースレット氏は「Googleがアンドロイドユーザーに対して出来ていないことを、アップルはSiriのおかげで出来るようになった。Googleは、質問に対する解答の結果を見てほしいと考えている。だから広告スペースが大切になる。しかし、ただ単に解答が与えられるだけになれば、Googleのビジネスモデルは一体どうなることだろう?」と述べました。

サーチエンジンの未来もまた、変化の兆しを見せているのかもしれませんね。

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