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iPhone 6向けサファイア製ディスプレイの量産体制 着々と進む、アップル新工場で年間2億台分

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アリゾナの新工場

アナリストのマット・マルゴリス氏は6日(米国時間)、アップルの提携企業であるGTアドバンスト・テクノロジーズが、サファイア部品の生産と検査を行う機械をアリゾナ州メサにある同社工場に受け入れたとするレポートを発表しました。納品された新しい機械で、iPhone用の5インチ・ディスプレイを毎年1~2億台生産することが可能であるとのことです。米国のApple Insiderが伝えています。

アップルとGTは現在、アリゾナ州メサに取得した工場で、サファイア部品の大量生産に使用する機械の組立てを行っているとみられています。機械には、加熱炉や高度な検査装置が含まれているようです。

マルゴリス氏は、情報の発信元を明らかにしていませんが(開示したのは輸入と輸出の記録のみ)、GTが518台の組立済み加熱炉を受け取ったとしています。氏の推測では、この機械で1億300万~1億1600万台の5インチ・ディスプレイの生産が可能であるとのこと。それとは別に組立てが完了していない420台の機械もあり、両方を合わせると毎年の生産量は約2億台にも達します。

GTによると、「ASF」サファイア炉は、高輝度LED、家電、産業用製品といった要求度の高い用途向けの、高品質な、面積の広い基盤を生産することができるとのことです。

また、サファイアの検査装置については、GTはインテゴ社のSIRIUS Slabと呼ばれるハードウエアを使用。GTは、インテゴとの提携の詳細を伝える2013年3月発表のプレスリリースの中で、「システムの自動化により、再現可能な方法で高品質なサファイアを増産することができる」と述べています。また、GTの社長兼CEOトム・グティエレス氏は同じプレスリリースで、「このシステムの導入が、モバイル業界にコスト削減とサファイアの生産増加をもたらす」と述べています。

「サファイア材料の検査工程を自動化することで、再現可能かつ一貫した結果がもたらされ、処理能力が増大する。モバイル製品やタッチスクリーン機器に大量に使用されるサファイアのコスト削減も促す」(グティエレス氏)。

アップルは昨年11月、サファイア材料の供給に関する5億7800万ドルの契約をGTと結びました。しかしこの複数年契約の詳細については、ほとんど明らかにされていません。契約金はアリゾナ州メサの生産工場を建設するために前払いされ、GTは2015年から全額を返還していくと伝えられています。

アリゾナ州知事のジャン・ブリュワー氏は、昨年11月に、この工場の規模に関して若干の詳細を明らかにしており、工場建設に携わる人員1300人とは別に、初年度だけで700人程度が新たに雇用されると語っていました。

アップルのCEOティム・クック氏は、今年1月の、米国ABCニュースとのインタビューの中で、メサの工場がサファイアガラスの生産施設であることを認めましたが、その材料の用途については明らかにしませんでした。

アップルは、サファイア材料の生産と使用に関する数多くの特許を取得しています。最近明らかになった、サファイア製のiPhone用ディスプレイの特許もその1つです。アップルは、iPhone 5sのリアカメラのカバーで初めてサファイア材料を採用し、指紋センサーTouch IDの保護カバーにも用途を広げました。

1月下旬、アップルが「非常に重要な」サファイア製のサブコンポーネントの生産を2月末から開始することが報じられました。このサブコンポーネントは、その後、組立てのために米国外に輸出されるとみられており、従来のiPhone用ディスプレイに代わる部品となるか、あるいは、全く新しい部品として使用されるか、そのいずれかではないかと予測されています。

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