iPhone 5s レビュー:まる1日使ってみた印象

米国9to5Macの編集者であるマーク・グルマン氏は、実際に新iPhone 5sをまる一日使ってみた印象とレビューを寄稿しております。

デザイン

iPhone 5sはその名の通り、iPhone 5のデザインを基にしています。同じ光沢のあるエッジ、上部と下部がガラスになっているメタル製の背面、そして広いディスプレイをもつ正面など。iPhone 5sがiPhone 5と異なる点は、少しだけデザインの変わったホームボタン、より大きくなった背面カメラフラッシュ、そして新しいカラーオプションです。

私は、スペースグレイのモデルを選びました。というか実は、シルバーとゴールドについては入手が極端に難しく、「選んだ」というのは少し語弊があるかもしれません。でも仮に選択肢があったとしても、私はスペースグレイを選んでいたでしょう。

しかし何故これをスペースグレイと呼ぶのでしょうか?アップルにしか答えられない問いですが、もし私が答えるとすれば、それは「ダークグレイ」と名付けたいところです。この色はホワイトモデルのシルバーメタルにより近い印象で、色のダークさがより濃くなっています。

このグレイ、iPhone 4およびiPhone 4Sのメタルバンドに近い色合いで、スペースグレイのiPhone 5sのデザインは、iPhone 4およびiPhone 5両方のモデルの中でもベストのデザインだと私は思っています。このスペースグレイモデルを使うのが本当にうれしくて、美的観点から言っても、自分が以前使っていたブラックモデルのiPhone 5よりもさらに洗練された印象です。

iPhone 5とiPhone 5sの正面と背面のブラックガラスを比較すると、iPhone 5sのガラスの方が少しダークで透明度が少なくなっています。と言っても、これは私個人の印象に過ぎません。

iPhone 5sの丈夫さ、薄さ、軽さは、iPhone 5同様です。なのでiPhone 5のユーザーにとって驚きは少ないかもしれません。しかしiPhone 4およびiPhone 4Sさらに旧モデルのユーザーにとっては、そのデザインの作りとフィール(feel)の進化はかなり目覚しいものだと思います。

レザーケース

image:9to5Mac

新iPhone 5sと一緒に、私はアップルのレザーケースも購入しました。新ケースはたくさんの色揃えがあり、店頭にはそれらがずらりと並んでいました。このカラフルな色揃え、一年前なら考えられなかったことです。私はスペースグレイに合わせて、ブラックのレザーケースを選びました。しかしベージュやレッドも捨てがたく、迷わされました。

レザーケースは革のような外見ですが、革らしい重みと厚みがあまりありません。実際、あるツイッターのユーザーは、卵を入れる箱みたいだとツイートしていました。私もそんなふうに感じました。このレザーケースは、iPadのスマートカバーに使われている材質とはかなり違う感触です。

とはいえこのレザーケース、私は気に入っています。薄くて軽く、フォンにぴったりのデザインです。私は普段ケースを使わないんですが、今後のために取っておこうと思っています。

私はiPhone 5sのドックも購入したんですが、レザーケースを付けたままだとぴったりフィットしません。製品すべてに統合されたソリューションをもつことを誇りにしているアップルほどの企業にしては、これは驚きの事態でした。まあしかし、これは些細なこと。ケースからフォンを外すのは難しいことではありませんが、ちょっと面倒です。

image:9to5Mac

ケース購入はお奨めしたいところですが、価格がやや高く39米ドル(日本では4,080円)。レザーケースとシリコン製のiPhone 5cのケースに10米ドルの差があるのは納得できますが、それにしても、39米ドルと29米ドルではなく、29米ドルと19米ドルぐらいにしてほしかったものです。

バッテリー寿命

iPhone 5sのバッテリー駆動時間については、まだ十分に調べたわけではないのですが、第一印象としては、思っていたより少し長いという感じです。いつも通りツイートしたり、テキストメッセージを打ったり、ネットをしたり、Eメール送受信、6回ほど電話をかけたりしてみましたが、一日が終わっても、バッテリーは70%を少し切る程度残っていました。

iPhone 5の頃を思い出せば、確かにこれはバッテリー機能が向上しているためだと思います。もちろんバッテリーは微調整を続けるので、この結果はまた変わってくるかもしれません。昨日、バッテリーを0%まで落としてから100%までフル充電しました。

性能

一日使ってみて、iPhone 5sは今のところ、iPhone 5より格段にきびきびしているという印象はありません。と言ってもこれはネガティブな批判ではありません。iPhone 5のシステム速度が、すでに素晴らしいものだからです。

オペレーティングシステムを使い回したり、アプリを立ち上げても、iPhone 5sとiPhone 5を比べた印象は同じです。あまり科学的とは言えませんが、両方のデバイスで同時に同じアプリを立ち上げてみると、その結果はほとんど変わりませんでした。

iPhone 5のユーザーにとって、iPhone 5sの高速化は、普通に使うぶんにはほとんど気が付かないレベルです。iPhone3GからiPhone3GSへアップグレードした頃は、そのスピード差は明らかに違うものでした。しかしiPhone 5からiPhone 5sの場合、その違いはほとんどありません。

しかしiPhone 5より前のモデルのiPhoneユーザーであれば、その差をはっきりと感じることができるでしょう。私の持っているiOS 7のA5 ベースのiPadとiPhone 5sでは、そのスピードは雲泥の差です。

新たに高速化したスピードは、アイコンなどの動きにおいて明瞭に表れます。例えばiPhone 5sのホームスクリーンをスワイプすると、iPhone 5よりも少しスムーズです。iPhone 5sで、カメラモードを切り替える場合や、スワイプダウンしてホームスクリーン上でSpotlight検索する場合も、iPhone 5sはiPhone 5よりスムーズかつ高速です。
※iOS 7では、ホーム画面上を軽く下にはらうことで、検索画面が表示されます。

また透明の通知センターパネルをスワイプダウンするのもよりスムーズです。

他にもあまり科学的とは言いがたい速度テストとして、アプリのインターフェースをローテーションする速さを比較してみました。例えば、ミュージックアプリをポートレート(縦置き)からランドスケープ(横置き)にローテーションすると、新しい「アルバムウォール」が立ち現れます。また電卓の向きを変えると、シンプルな電卓から関数電卓に変わります。これらの場合、iPhone 5とiPhone 5sの違いは感じられませんでした。

また電源のオンとオフの速度もテストしてみました。電源オフの場合、その速度差は同じでしたが、電源オンの場合は、iPhone 5sの方が約2~3秒高速でした。両デバイスとも、ほぼ同じコンテンツです。

他に違いが見られるところは、グラフィックス過多なゲームを起動する場合です。このようなゲームの場合もかなり高速に起動されましたが、例えば最新のInfinity Bladeのようなゲームのテストは未だ行っていません。

私が思うに、iOS 7の派手なアイコンの動きがなければ、iPhone 5sはiPhone 5よりさらに高速化するように感じています。長々しいアイコンの動き(アニメーション)は、アプリの立ち上げ、アプリのクローズ、フォンのロック解除、ほとんどの場合に出てきます。アップルはこういう「派手さ」をもっと減らせばいいのにと私は思うのですが、皆さんはどうお考えでしょうか?

スピーカー

ゲーム、音楽、ビデオのようなメディアを扱うフォンであれば、オーディオの品質は大切なポイントです。iPhone 5のスピーカーも手堅いものですが、iPhone 5sのそれも同等の性能を備えています。App Storeのデシベルメーターによると、iPhone 5sはiPhone 5よりも、ほんの数デシベル大きいとの結果。しかしこれもまったく科学的なものはなく、カジュアルなテストでしかありません。

カメラ

カメラについては、あまり使用も比較もしていませんが、写真撮影の速度は明らかにiPhone 5sの方が高速です。バーストモードも快適で、撮った写真をナビゲーションするユーザーインターフェースもシンプルです。

スローモーション撮影モードも同様で、1秒間に120フレーム撮影できるビデオは実に愉快です。スローモーション撮影したい部分を選ぶシステムも、簡単に使えるようになっています。AirPlayやApple TVを通じて、スローモーション撮影したビデオを再生するときにトラブルが発生したという知人が二人ほどいましたが、私にはそんなトラブルはありませんでした。

新しいTrue Tone dual-LEDフラッシュにより、夜間の撮影が見違えるように良くなりました。

Touch ID

もしあなたがカメラの大ファンでなければ、Touch IDこそ、iPhone 5からのアップグレードの大きな理由となります。もちろん非iPhoneユーザー、iPhone 5以前のモデルのiPhoneユーザーは、たくさんの新機能を見ることになります。

Touch IDの設定は簡単です。

iPhoneの初期設定過程または「設定」アプリのどちらかで、iPhoneはあなたの指紋を登録します。iPhoneのメインの設定モードで一本の指を登録しますが、最大5本まで登録可能です。指紋の登録は簡単でした。一本の指につき、1分未満で済みました。アップルはこれをセットアップのソフトウェアに見事に組み入れています。

Touch IDのハードウェアについては、私は専門家ではないので、よく分かりません。そのシステムは、フォンのロック解除をする度に、私の登録済みの指紋を認識します。明らかにこれまでの4桁のPINを入力する仕方より速いです。私は4桁入力するのに慣れきってしまっているので、このロック解除にはまだ順応していない自分に気付きます。しかし慣れるのも直ぐのことでしょう。

アップルはiPhone 5sにおいて、スライドによるロック解除の機能をあまり目立たないようにすべきだと思うのですが、今のところは未だ必要なのでしょう。指紋でフォンのロック解除するのは愉しいことです。そのハードウェアは、以前私が使ったことのある指紋認証スキャナーと比較すると、まったくの別世界と言えます。しかし今後数か月使ってみた後の印象はどんなものか、まだ今は分かりません。

指紋認証による、フォン自体のロック解除はほぼ完璧です。しかし一般的なTouch IDシステムはそうではありません。Touch IDには二つ問題があると私は思っています。

一つは、指紋のスキャニングに関するものです。ホームボタンをクリックする際、私は時々、指の広いエリアではなく、その一部だけを使います。そうすると、Touch IDは私を認証しません。おそらく私が、設定の過程で指の位置取りをもっと上手にしていればよかったのでしょう。私は自分の親指の一部を新たに登録することでこの問題を解決しました。これで5つのスロットのうち、さらに一つを使ったことになりました。

Touch IDにまつわるもう一つの問題は、App Store、iTunes Store、iBookstoreから買い物をする時のことです。単に商品を選んでダウンロードするだけなら、Touch IDはよく機能します。しかしアップルのストアに関するタスク向けでは、未だTouch IDはあまりよく作りこまれていません。

例えば、iTunes Radio やiTunes Match(ともに日本では未対応)にサインインするには、パスワード入力が必要です。プロモーションコードを使って、App Store上でアプリをもう一度立ち上げようとすると、アップルIDのログイン画面がポップアップします。これらのギャップが埋まらないと、アップルのiOSメディアストアにおいて、Touch IDはパスワード入力の代わりとはならないのではないでしょうか。

iPhone 5s向けのiOS 7.0は、Touch IDに関わるバグが言われていましたが、すでに入手可能になっているiOS 7.0.1(iPhone 5s/5c向け)アップデートで、この問題は解消されています。

Touch IDはもっと支払い面に結びつけられると、個人的に思っています。例えば、アップルストアのアプリ、サードパーティーのアプリなどです。ティム・クックCEOもこれには賛同しているようです。Touch IDについては色々なことが言われています。アップルがあなたの指紋を保管している?など安全面にかかわることです。これについてはあり得ないと思っています。アップル自身が自社サーバーに指紋を保管していないと明言しているわけですから、これを信じない理由はありません。

結論

iPhone 5sは、iPhone 4S以下旧モデルからのアップデートとしては大きなものです。また初めてスマートフォンを買う人や、別のプラットフォームからの移行組にもお奨めできるiPhoneです。しかしiPhone 5のユーザーにとっては、ちょっと難しい買い物になりそうです。しかしTouch IDの今後、64bitアプリの未来性を考慮すれば、iPhone 5ユーザーにとっても買う価値のある一品と言えます。

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