WWDC 2012プレビュー、Apple 対 Google 仁義なき戦いは熾烈化!

来週早々にスタートするアップルのソフトウェア開発者向けカンファレンスWWDCですが、アップル陣営の有力者が続々と集まると見られています。しかし例外が一つあり、それはGoogle関係者です。この両社のバトルもここに来て熾烈化しており、米国のReutersがその概観を伝えております。

消費者向けエレクトロニクス商品の巨大組織は、これまで以上に、オンライン検索の巨大組織と激戦に突入しようとしています。戦場はスマートフォン、クラウドコンピューティング、ソフトウェア開発。終わりなき戦いといった様相です。

アップルは11日、iPhoneでもっとも評価の高い特徴の一つであるGoogleマップの代わりに、独自のマップアプリを発表する予定。それはいっそう深くiPhoneアプリとそのiCloudストレージサービスに統合されるものとなるでしょう。Googleのアンドロイド系スマホに向けた、アップル側からの鋭い一撃です。

アップルはまた、音声アシスタント機能Siriの最新版を発表します。これによって引き続き、iPhoneとiPadがアンドロイド系デバイスと一線を画せると、アップルは考えています。

マッキントッシュのラップトップも新ラインナップが登場する模様です。ハードウェア商品のラインを強調することは、Googleとの戦いが主にソフトウェアに偏ったものであるだけに、一段と力を入れる必要があるというのが、アップルの読みです。

ガートナーリサーチのアナリストであるキャロライナ・ミラネシ女史は、「消費者をさらに深くアップルのエコシステムに誘い込むことによって、Googleアンドロイドデバイスと差別化を図る、これこそアップルの狙い」とし、「もっぱら忠誠の問題でもあるわけですが、より多くを売り込むための機会を増大させることでもあります。大量市場の消費者が必然的にアンドロイドのエコシステムに結びついているわけではありません。アップル側とて同じことです」と語りました。

両社はさまざまな戦場で、異なった武器を準備しています。アップルのエコシステムは綿密に管理されたアプリストアから成り、そのハードウェアとのシームレスな統合性は、Googleの自由な開放系のアプローチと鋭い対比を示しています。

この自由な開放系アプローチは、マイクロソフトの戦略を髣髴とさせます。多様なハードウェア上でスタンダードとなるソフトウェアを作り出し、大きな成功を収めました。アンドロイドも同様に、スマホ市場で一歩リードしているのが現状です(利幅では、アップルがトップです)。

アンドロイドはまた、アップルのライバルとなる強力なハードウェア企業を生み出す助けをしています。サムスン電子のアンドロイド系スマホであるGalaxy SⅢは、しばしばiPhoneと比較・対照されています。アマゾンのキンドルファイアも、タブレットとデジタルコンテンツ分野で、アップルの向こうを張っています。

アップルがGoogleマップに代わり自社製アプリを採用する動きは予想されていたこととはいえ、両社のドラマチックなライバル関係の好例といえます。両社とも進化し続けているというわけです。

Googleは近年、マップ関連技術に巨額を投資してきました。マップ関連のトラフィックの約半数が現在では、iPhoneとiPad由来のものとなっています。なかんずく、これらデバイスからのトラフィックは、マップサービスを改善し、リアルタイムのトラフィックレポートのような特徴を提供する一助となる重要な位置情報を明らかにします。

アップルは三年をかけて、マップアプリの準備をしてきました。3DマッピングのC3テクノロジー、カナダのPoly9グループ、マッピングサービスのPlacebaseの技術を統合済み。アップルはSiriを立ち上げたわけですが、iCloudのインフラとさらなる可能性をそのオペレーティングシステム内にむけて立ち上げています。やはり位置情報が重要になってくるというわけです。また広告ビジネスの助けともなるでしょう。

多岐にわたるバトル

アップルの新マップサービス開示の動きに先手を打つべく、Googleは6日、3D特性を含む自社独自マッピング技術を発表しました。Googleの幹部らは、Googleマップがアップルデバイスのデフォルトサービスから外される可能性についてコメントすることは避けましたが、ある幹部は、Googleの検索エンジンとの統合により、マッピングサービスが、単に「ジオコーダー(geocoder)」(デジタルマップを作るために地理的な座標を使う技術)を使う製品よりもはるかに使いやすいものになると述べました。

アップルは昨年後半、スマホ上のGoogleベースのマップに独自のジオコーダーを使い始めました。これはアップルが独自マップソフトウェアを使うことの前触れでした。

他に、アップルファンや開発者らが望んでいるソフトウェアのアップグレードは、Siriです。まだGoogleはこれに対抗するものを持っていません。Siriは、iOS 6が発表されると、β版のテスト期間を終えて、iPad上に登場することになるでしょう。しかしSiriはいまだに、接続性や他の問題を抱えています。

アップルとGoogle及びアンドロイドとのグローバルな戦いの法廷部門においては、前者の勝利は限定的となっています。そう、特許侵害の問題です。アップルは今週、サムスンのGalaxy SⅢを米国で発売することを法的に差し止めようとしていると発表。また、今ではGoogleの傘下となっているモトローラですが、アップルは同社相手に訴訟を起こしました。しかし法廷の判決は、両社ともダメージがないとの理由で、訴訟は却下となりました。アンドロイド製品の差し止め要請を求めていたアップルとしては痛手でした。

MacBook再デザイン化で新登場

ハードウェアにおいて、アップルは一歩先んじています。斬新なデザイン、使い易さゆえの絶大な人気。再デザイン化されて新登場するMacBookですが、高解像度スクリーン、インテルのIvy Bridgeの最先端プロセッサーを搭載すると見られています。iPadのRetinaディスプレイがMacBookのラインに登場するという声もあります。

今回は、アップルが2009年中盤にMacBook Proを大きく変身させて以来初めての大きな再デザイン化となります。このラインナップで、昨今続々と登場している「ウルトラブック」と呼ばれる超薄型のラップトップ製品一連を牽制する狙いがあるのでしょう。

またマイクロソフトの新OSであるウィンドウズ8は、PCだけでなくタブレット上でも作動する同社の旗艦OS。これもPCメーカーにプレミアムなPC製造を促す契機となり、アップルのMacBookラインの強力なライバルとなります。

すでに、タッチ式のウルトラブックデザインの機種約20種が、折りたたみ式、取り外し可能、スライド式キーボードで、かつ新ウィンドウズ8システム搭載のデバイスが製造中です。

MacBookラインはアップル社の第2四半期の収益の13%、約50億米ドルを稼いでいます。年季の入ったラインナップのユニット売上は前年比7%増、しかし連続的には23%減です。

来週は、どんなことが起こるにせよ、忙しい一週間となりそうです。バークレイのアナリストであるベン・レイツ氏は「アップルは、ウィンドウズ8とウルトラブックを引き離そうと必死だ。とはいえ今回のカンファレンスでは、ソフトウェアとサービス関連が焦点となる。マップ、iCloud、Siriの拡充だ。開発者もユーザーもこれで恩恵を受けることができる」と語りました。

さて、いよいよ間近に迫ったWWDC。Googleばかりでなく、マイクロソフト、サムスン電子等、アップルにはライバル企業が多いわけですが、その他社対策の戦略の見通しも透けて見えてくるカンファレンスとなるだろうことは間違いありません。

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