iOSハッカーとして名を馳せるPod2g氏とそのコミュニティの手により、iPhone 4S、iPad 2、そして第三世代iPadの脱獄が近いうちに可能になるかもしれません。
GottaBeMobileのJosh Smith氏がiOS 5.1の脱獄ツール開発に関する最新情報をレポートしています。
かつてPod2g氏は、 iPhone Hacking Dream Teamの中心メンバーとして、iOS 5.0.1搭載iPhone 4Sの脱獄を成功させました。そのPod2g氏が今週、アップルA5とA5Xで作動するiOS 5.1の紐無し脱獄に必要なすべての脆弱性(Exploit)を発見したと公表しました。現在は、脱獄プログラムのリリースに向けて、セキリュティ突破の為の最終段階にあるとのことです。
Pod2g氏のツイート:「新しい脱獄に必要な脆弱性(Exploit)の確認が完了しました。今は、ブートアップ時のASLRを突破できるように取り組んでいるところです。」
iOS 5.1紐無し脱獄の進み具合は?iOS 5.1を搭載した新しいiPad用の紐無し脱獄はまだ公開こそされていませんが、ハッカー達による脱獄レポートが散見されるようになっています。
iOS 5.0.1搭載のiPhone 4SとiPad 2は脱獄可能になっていましたが、iOS 5.1には新たな脱獄対策が施されおり、iOS 5.1にアップグレードした人や、iPhone4Sを新規で購入した人は、ダウングレードすることも脱獄することもできない状態となっています。新しいiPadの脱獄法はこれまで公開されたことはありませんが、今回開発中の脱獄ツールをもってすれば、それも可能なのだとか。
チームが現在直面している問題は?Pod2g氏によれば、iOS 5.1搭載iPhone 4Sの脱獄に関して、アップルによるASLR関連のプロテクションがまだ突破できていないのだそうです。
iPhone 4Sと新しいiPad用脱獄ツールのリリース時期は?近日中に発表、という訳には行かない様です。A5とA5X搭載デバイス用脱獄ツールであるCoronaやRedSn0w、Absintheの新バージョンを公表できる形にするまでには、まだまだたくさんの課題があるのだそうです。
Grant Paul (chpwn)氏のツイート:「全ての脆弱性(Exploit)が確認できたとは言っても、すぐに脱獄が可能になるという訳ではありません。この状態から実際に脱獄可能になるまでには、更に数カ月かかるでしょうね。」
上記の様に、hacker chpwn氏はiPhone 4SとiPad 2、第三世代iPadの為の脱獄ツールを一般向けにリリースできるようにするには、長い時間がかかると言っています。
脱獄のメリットとは?iPhone 4SやiPadを脱獄して使う事の最大のメリットは、アップルが認可していないアプリを使えることでしょう。脱獄する事で使用可能になる様々なtweakが、ユーザーを引きつけて止まないのです。
そうしたtweakの中でも特に有名なものには、Siriを使ってアプリを起動するもの、暗闇の中での使用に適する様に、スクリーンの色を変更するもの、ロックスクリーンの設定を変更するもの、「設定」画面により素早くアクセスできるようにするものなどがあります。
脱獄のデメリットは?残念ながら、脱獄は万人にオススメできるものではありません。脱獄を思い留まってしまう理由がいくつかあるのです。
まず、脱獄自体は違法ではありませんが、アップルの保障サービスが適用されなくなってしまいます。しかし、大抵の場合は「再入獄」してからアップルの修理サービスに出す事が可能なので、これは大した問題ではありません。
では、もっと重大な問題は何なのかと言うと、それはiPhoneの動作に異常をきたす可能性があることです。iPhone 4SやiPadは本来、素晴らしい安定性を誇るデバイスですが、脱獄をして専用tweakやappを導入することでこの安定性が失われ、使用感やバッテリーの寿命に悪影響を及ぼしてしまう可能性があるのです。
GottaBeMobileのJosh Smith氏も今年の初めにiPhone 4Sを脱獄したのですが、上記の問題が発生したので、iOS 5.1のリリースと共に「再入獄」したのだそうです。
デバイスにトラブルが起きても、それを自ら解決しようと思えるユーザーであれば心配は要らないでしょう。事実、多くのユーザーが、脱獄したiPhone 4Sによる素晴らしいパフォーマンスを報告しています。
あなたはiPhone4SやiPad2,新しいiPadを脱獄してみたいと思いますか?