アップルとIBMは10日(現地時間)、提携後初となるアプリ群「IBM MobileFirst for iOS Apps」の提供を開始しました。同アプリ群は全10種類で、航空、金融、保険、通信などの業界や政府向けに設計された、ビジネス用アプリとなっています。
同時に、IBMの顧客であるCiibankやAir Canada、通信事業会社でソフトバンク傘下のSprint、メキシコ大手銀行のBanorteなどはすでに、同アプリの導入を決定しているようです。
アップルのクラウドサービスとIBMのソフトウェアの技術で、iPhoneやiPadの法人利用を促進しようと、両社が「MobileFirst」の名の下、戦略的提携関係を発表したのは今年7月のこと。アップルのティム・クックCEOは当時、このパートナーシップを「革新的なもの」と称し、一方でルカ・マエストリCFOは10月に行われた「第4四半期業績発表」の場で、これを「ランドマーク(大きな進歩)」と呼びました。
各アプリの概要は次の通りです。
航空会社による、燃料コストの管理・削減に役立つアプリ。パイロットがフライト・スケジュールやフライト・プラン、乗員名簿を事前に確認できるほか、機内で発生した問題を地上に報告したり、十分な情報を基に燃料の管理を行ったりすることができます。
スペシャル・オファーや予約の変更、手荷物に関する情報など、客室乗務員がより充実した機内サービスを提供するためのアプリです。
銀行などの金融機関が、顧客情報にアクセスするためのアプリです。同アプリを利用すれば、例えば中小企業などに対してより適切なアドバイスができるほか、不正取引の防止などにも役立ちます。
このアプリを利用すれば、金融アドバイザーは、オフィス以外の場所でも顧客のポートフォリオにアクセスでき、また商品の提案などについても管理することができます。不正取引の防止にも役立ちます。
保険エージェントが、分析結果や注意事項、アドバイスなど各顧客に関する情報を管理できるアプリです。電子署名を使えば、取引を進めることもできます。
ケースワーカーが、支援の必要な人や家庭を訪問する際に有効なアプリです。詳細なデータ分析を行うことで、問題の早期発見にも役立ちます。
警察官などがiPhoneを使って、事件・事故現場の地図や動画をリアルタイムで確認できるアプリです。被害者の状態や被害の拡大状況、犯罪歴などについても確認でき、応援の要請を行うことができます。
このアプリでは、販売員が顧客とコミュニケーションを取りながら、購入履歴など顧客情報を確認することができます。これによって顧客へのアドバイスができるほか、在庫管理や商品の陳列場所の特定、在庫のない商品の出荷手続きなどを行うこともできます。
販売店や小売業者が、店舗内の商品を管理したり、在庫オーダーシステムにアクセスしたりすることのできるアプリです。
FaceTimeを利用した、顧客対応のためのアプリです。顧客やエンジニアがカスタマー・サポートなど企業に連絡を入れる際、FaceTimeで双方をつないで質問や要求に対応します。
これらのアプリはすべて、iOSデバイスでの利用となります。IBMは各企業に対して個別にカスタマイズを行うとしており、また将来的にはIBMのクラウドサービスでも利用が可能になるとされています。
via - Business Insider