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格安SIM・MVNOって何?

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近年、急速に認知度が高まってきた「格安SIM」。最近では、格安SIMのテレビCMを目にする機会も多くなってきましたし、家電量販店などでは特設カウンターを設置する店舗も増えてきているので、「なんとなく知ってる」という方も多いのではないでしょうか。

現在、国内のスマホ全体に占める格安SIMの割合は5%程度。急速な広がりを見せつつあるものの、全体としてはまだまだ黎明期。しかし、格安SIMは総務省がその普及を推進していることもあり、今後、一般ユーザーにも確実に浸透していくものとみられています。

格安SIMの名称、MVNOってなに?

格安SIMとともに使われる用語に、MVNOがあります。MVNOは格安SIMを提供する事業者のことで、Mobile Virtual Network Operatorの頭文字です。日本語だと、仮想移動体通信事業者と訳されます。このような業者には大手だと、OCNモバイルONE、IIJMio、楽天モバイル、mineoなどがあります。

「格安SIM」はあくまで通称であって、通信分野を管轄する総務省は、「MVNO」という用語を使用しています。しかし、MVNOは日本人にとって語呂が悪く覚えにくいため、認知度としては格安SIMのうほうが一般に馴染みが深いと思います。大手新聞社などは、「格安SIMと呼ばれるMVNO(仮想移動体通信事業者)」のように記述することが多いです。

今のところ、どのように呼ぶかはまだ一本化されていませんが、格安航空会社がLCCより市民権を得ていることなどをかんがみると、「格安SIM」が呼称の主体となっていくのかもしれません。

MVNO誕生の背景

MVNOは、ドコモやauから通信ネットワークを有償で借り受けて格安SIMのサービスを展開しています。日本に限らずですが、電波には限りがあるので、国から通信事業者として認可を受けているのは、ドコモ、au、ソフトバンクなどほんの数社しかありません。

それに、基地局などの通信インフラを構築するには、数千億円規模の投資が必要となります。そのため、通信分野はどうしても寡占状態になり、事業者間の競争が抑制されてしまいます。携帯大手3社の料金プランを見ればわかる通り、どこも似たり寄ったりですし、料金もなかなか下がっていきません。

そういった事情を背景にMVNOが誕生したわけです。国が後押しする理由もここにあります。株式相場に「国策に売りナシ」という格言がありますが、国が手綱を引いている以上、MVNO市場が今後も拡大していくのは間違いないことだと思われます。

格安SIMはなぜ格安なのか

スマホを格安SIMで運用すると毎月の料金は劇的に下がります。AndroidのみならずiPhoneでも同様です。民間調査会社のMM総研が2015年3月に実施した調査によると、携帯大手の一人当たりのスマホの月額料金は約6300円。これが格安SIMになると約3300円になり、さらに、データ通信専用SIMだと約1200円にまで低下します。

別の会社の調査(2015年8月)では、格安SIM利用者の月額料金は500円~1000円が最も多く全体の28.4%。1000円~1500円が14.8%、1500円~2000円が18.2%。月2000円未満が全体の6割を占めます。

まさに、「格安SIM」なわけですが、なぜそんなに安いのでしょうか。その理由はざっくりと3つあります。

自社の通信インフラを持たない
上でも述べたように、MVNOは自社の通信インフラを持たず、ドコモなどからレンタルする形で格安SIMサービスを提供しています。このレンタル費用はパケット接続料と呼ばれ、10Mビット/秒当たり約100万円程度。これを聞いても安いのか高いのかピンときませんが、大手キャリアが基地局の整備などに数千億円規模の資本を投下していることを考えると、桁違いに安いといえます。

通信リソースの最適化
MVNOは、契約者数に応じて必要な分だけ回線を借りて、効率的に通信リソースを運用しています。そのため、格安SIMの料金プランはリソースに無駄が生まれないように設計されたものが多く、1か月500MBのプランや1日単位でデータ容量が設定されているプラン、通信速度を抑えたプランなど大手キャリアにはない様々なプランが用意されています。

格安SIMの通信速度は、速いものもあれば、遅いものもあるといったところ。しかし、ネット利用者が急増する時間帯、特に12時30分~13時を除けば、概ね十分な速度が出ます。大手キャリアより速いこともあるくらいです。

MVNO各社の通信速度比較

経営コストの削減
大手キャリアは全国に数千もの販売店舗を構えています。サポート体制などにも多くの費用を費やしていますし、宣伝費も膨大です。一方のMVNOは、家電量販店などと提携し店頭販売をしているものの、直営店はほぼありません。多くのMVNOがウェブ経由の販売を柱としています。

サポート体制は電話やメールなど一通りの窓口は揃っていますが、人員が少ないため、例えば電話で問い合わせても、順番が回ってくるまでかなり待たされます。

このように、格安SIMには、料金が格安というメリットと大手キャリほどの上質なサービスを期待できないというデメリットの両方が存在します。加えて、スマホの使い方によっては、格安にならない場合や逆に大手キャリアを利用する方が安い場合なども考えられます。

格安SIMを選ぶ際は、ご自身のスマホの使用状況にあったものを選ぶのが重要となってきます。

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